韓国のRE2Oについて、「亡くなった人の皮膚をそのまま顔に注射する」との声もあれば、「無細胞化しているから完全に安全」との声もあります。どちらも原料、加工後の製品、ヒトを対象とした研究の限界を混同しています。判断する前に、この三つを分けて確認しましょう。
資料確認日:2026年9月17日。本記事は公開情報にあるRE2O標準製品を扱い、個別ロットや施術の安全性を認証するものではありません。
RE2Oとは?提供者の真皮が原料でも、そのまま注射するわけではない
ヒト由来であることは事実です。論文ではRE2Oを微粒子化したヒト無細胞真皮マトリックス(phADM)と説明し、メーカーの公表資料も亡くなった方からの提供組織について言及しています。細胞を除去し、微粒子に加工した材料にはコラーゲンやエラスチンなどの細胞外マトリックスが残ります。未加工の皮膚そのものでも、単一成分の精製コラーゲン注射でもありません。

残存DNAの検出は、提供者の遺伝性疾患が移ることを意味しない
無細胞化はDNAが文字どおりゼロになるという意味ではありません。研究は試験材料の残存DNAを50 ng/mg未満と報告していますが、全ての市販ロットを検査した証明ではありません。DNAの断片、提供者の生きた細胞、施術を受ける人自身の遺伝情報は別物です。残存DNAだけから遺伝性疾患の伝達や遺伝情報の書き換えは導けません。一方で、ロットの品質確認や個別のリスク評価は必要です。
出典: 原著論文
感染対策は重要。ただし原料だけでウイルス混入は断定できない
ヒト組織には提供者の選別・感染症検査、加工時の無菌管理、流通の追跡が欠かせません。研究と企業の開示資料には、こうした管理工程が記載されています。提供者にHIVやB型肝炎の可能性が理論上あることと、完成品からウイルスが検出されたことは同義ではありません。管理工程があってもリスクがゼロになるわけではないため、施術前に製品の包装、ロット番号、追跡情報を確認しましょう。
20人・20週間の臨床研究はある。ただし長期安全性の証明ではない
2026年に発表された無作為化スプリットフェイス試験では、20人を20週間追跡しました。一方の顔にはRE2Oと非架橋ヒアルロン酸の混合液、反対側にはヒアルロン酸を使用し、試験期間中に重篤な有害事象は報告されませんでした。「ヒトで全く研究していない」は誤りです。しかしRE2O単独使用の長期安全性やまれな問題までは評価できません。論文にはメーカーから試験製品の提供があり、著者の一人が製品開発の助言をしていたことも明記されています。
出典: 原著論文
医薬品・医療機器の承認番号がないと違法なのか
L&C BIOは韓国取引所への開示資料で、RE2Oは人体組織の制度で管理され、許可を受けた組織銀行を通じて製造・販売すると説明しています。これは企業側の公表内容であり、全ての美容注射の適法性を独立に認定するものではありません。医薬品や医療機器の番号の有無だけで結論を出さず、適用される制度、用途、医療機関を確認する必要があります。
出典: 韓国取引所開示資料
ヒト由来なら必ず拒絶反応?無細胞化なら反応ゼロ?
無細胞化は提供者の細胞や免疫に関係する成分を減らし、組織のマトリックスを残すための工程です。ヒト由来というだけで全員に拒絶反応が起こるわけではありません。一方、腫れや炎症などが絶対に起こらないとも言えません。残存DNA量は品質指標の一つにすぎず、施術後に症状が出た場合は医師が経過と施術記録を踏まえて評価すべきです。
出典: 原著論文
提供者の同意と、施術を受ける人の同意は別々に必要
研究論文は、使用した提供真皮について美容目的への同意を得たと記載しています。企業も同意を得た組織を使用すると開示しています。ただし公開資料だけでは、個々のロットの同意書まで第三者が確認できません。施術を受ける人にも、ヒト由来であること、製品の種類、混合・注入方法、想定されるリスクを事前に説明する必要があります。提供者の同意だけで患者への説明を省くことはできません。
安全管理と気持ちの上で受け入れられるかは別の話です。公開資料には提供者の検査、加工、無菌・追跡管理の工程が示されていますが、全ての人やロットに対してリスクゼロとは言えません。亡くなった方から提供された組織を受け入れられる人も、抵抗がある人もいます。十分に説明を受け、自分の意思で決めて構いません。
予約前に医療機関へ確認したい4項目
- 使用するRE2Oの種類、未開封の包装、ロット番号と追跡情報は?
- 注入部位と量、併用・混合する薬剤は?
- ヒト組織由来であることや、自分に関係するリスクの説明を受けたか?
- 施術担当者は誰で、帰国後に異常が出た場合の対応は?
誇張された情報を正すことは、施術を勧めることではありません。納得して選ぶための材料をそろえることです。
提案されたRE2Oの施術内容を確認したい方へ
医療機関から受け取った製品名、包装写真、書面の施術計画をBeautsGoへお送りください。確認すべき質問の整理をお手伝いします。適応の判断は、資格を持つ医師の診察が必要です。
ご相談・ご予約
参考資料
本記事は公開情報の整理であり、診断、効果の保証、個別の医療助言ではありません。




